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2016年から毎年、ケリングは「ヨーロッパ文化遺産の日」のためのイベントとして、今年もピノー・コレクションと連携し、現代美術の作品を揃えたコレクションを展示します。ケリングとバレンシアガの本社を擁するセーヴル通り40番が2日間にわたり、パリ市民や観光客、ファッション好きや歴史愛好家、老若男女を問わずすべての人に扉を開いた美術館となります。
今年のヨーロッパ文化遺産の日を祝して、ケリングとピノー・コレクションは、ベルギー人アーティストのエディス・デキントをピックアップ。2000年から2022年までに制作された作品と、今回のイベントのために特別に作られた新作が起こす相互作用を表した個展を開催します。
会場となるラエネック礼拝堂は、デキントの作品を展示するだけではなく、制作の物理的なプロセスや素材の決定に影響を及ぼすことでいくつかの作品にインスピレーションを与えています。これは、デキントの「すべての物体は生命体であり、それが置かれている環境と常に相互に作用したり、共鳴したりしている」という信念から自然に派生したものと言えるでしょう。文化遺産と現代のクリエイションとの間の相互作用を引き起こしながら、世界における人間性の位置づけをも再考させます。
展示作品の一つに、動物を飼育する透明な容器の中に酢漬けのリンゴを入れた「Visitation Zone」(2020年)があります。そこでは若い女性が繊細な振り付けにより、ゆっくりと丁寧にリンゴを一つの容器から別の容器へと移し替えます。ラトビアのリガ国際現代美術ビエンナーレから委託を受けて生まれたこの作品が今回はラエネック礼拝堂に設置され、旧病院の歴史、そして東欧の人々が歩んだ苦難の歴史と新たに共鳴します。
エディス・デキントは、見えるものと見えないものの境界線上にある現象を扱っています。ミニマリズムの伝統から発展させたアプローチのもと、別々の特異な動きを突き詰め、それを分離、拡大、反復させていきます。メランコリックなものと科学的なものとのバランスを保った彼女の作品は、私たちの注意を日常生活の何気ない存在へと改めて向けさせると同時に、私たちを取り巻く世界がゆっくりと変化していく過程について熟考するよう促します。
セーヴル通り40番-パリ7区
一般公開は9月17日(土)、18日(日)の午前10時から午後6時まで。なお、17日(土)は午後10時までイブニングイベントも開催(最終入場は午後9時)。