Kyotographie10周年を記念し、ウーマン・イン・モーションが10人の女性写真家を称賛

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Kyotographie10周年を記念し、ウーマン・イン・モーションが10人の女性写真家を称賛

Kyotographie 京都国際写真祭の開催10周年を記念し、ケリングは「ウーマン・イン・モーション」の活動の一環として、写真展「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」を支援します。2022年4月9日から5月8日まで、10名の現代日本の女性写真家たちの作品を紹介する写真展が京都で開催されます。
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Kyotographie 2022: 写真の創造性の10年を祝う

2013年、フランス人写真家のルシール・レイボーズと日本人の照明家、仲西祐介は、伝統的かつ現代的な写真文化の向上を目的に、国内外のアーティストを紹介する写真祭「Kyotographie」を創設しました。古都・京都で1ヶ月間開催されるこのフェスティバルでは、芸術的な対話を生み出し、著名な写真家と新しい才能との議論や出会いの場を提供しています。


Kyotographieのパートナーとして、「ウーマン・イン・モーション」は、Kyotographie 共同創設者/共同ディレクターのレイボーズおよび仲西、そしてインディペンデント・キュレーター/写真史家のポリーヌ・ベルマールのキュレーションによる「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」展を支援します。日本で開催されるKyotographieの10周年を記念し、10名の現代日本の女性写真家が一堂に会し、社会におけるそれぞれの問題と向き合い、独自の方法で表現する作家たちの作品を紹介します。
 

 

Kyotographie 2022 「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」出展アーティスト

「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」は、10名の日本の女性写真家による芸術的才能を結集させた展覧会です。本展には、地蔵ゆかり、林典子、細倉真弓、稲岡亜里子、岩根愛、岡部桃、清水はるみ、鈴木麻弓、殿村任香、𠮷田多麻希の10名の女性写真家が登場します。キュレーターたちの言葉を借りれば、「10の個展からなるシンフォニー」であり、今年のKyotographieのテーマである「ONE」にちなんだ展示となっています。また、表現や芸術としての写真への理解を深める、という本写真祭の多面的な趣旨を反映しています。本展では、京都を拠点に活動するデザイナー兼建築家の小西啓睦 (miso)が考案したオリジナルの構造体等により、日本人女性写真家のもつ多様性を独自の視点で紹介します。

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地蔵ゆかり

⾳楽⼤学を卒業後、作曲家・プログラマーとして活動。亡き父の言葉に従い訪れた雪深い村で、1300年前から続く祭事「祭堂」と出会う。戦争や病気など様々な困難を乗り越え人々が守り続けてきたこの祭事に生きる勇気を与えられ、「ZAIDO 」を制作。2020年に写真集:『ZAIDO』がSTEIDL社より出版された。『ZAIDO』は、Photo-eye、VOGUE、LensCulture、Vanity Fairなどの「2020年のベスト写真」等に選ばれている。LensCulture Emerging Talent Awards、LUCIE PHOTOBOOK PRIZE 等を受賞。作品はヒューストン美術館、グリフィン美術館、フランス国立美術館に収蔵されている。

ZAIDO ©Yukari Chikura
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林典子

社会・ジェンダー問題をテーマとするドキュメンタリー作家。北朝鮮に暮らす「日本人妻」をテーマにした長期プロジェクト「sawasawato」を展示する。個人史とそれを取り巻く社会的記憶の表象について考察しながら、日本と朝鮮半島を行き交う個々の記憶を紡ぎ合わせ再構築している。2019年『フォト・ドキュメンタリー 朝鮮に渡った「日本人妻」─60年の記憶』(岩波新書)を出版。2020年、韓国の出版社薑擎僥堅より韓国語翻訳版刊行。「ビザ・プール・リマージュ」(フランス)金賞、NPPA全米報道写真家協会賞1位など受賞。

Sawasawato ©Noriko Hayashi
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細倉真弓

立命館大学文学部、及び日本大学芸術学部写真学科卒業。触覚的な視覚を軸に、身体や性、人と人工物、有機物と無機物など、移り変わっていく境界線を写真と映像で扱う。これまでヌードを撮影してきた細倉が「女性が男性をどう見るか」に焦点を当て、ゲイ雑誌のグラビアや美術館の彫刻などを撮影してコラージュした作品「NEW SKIN」を写真と映像によるインスタレーションにて展示する。主な写真集に『NEW SKIN』(MACK 2020)『Jubilee』(artbeat publishers 2017)、など。主な個展に「Sen to Me」(Takuro Someya Contemporary Art 2021 東京)、「NEW SKIN |あたらしい肌」(mumei 2019 東京)など。

NEW SKIN ©︎Mayumi Hosokura
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稲岡亜里子

ニューヨークのパーソンズ美術大学写真科卒業。卒業後、ニューヨークをベースに写真家として活動を始める。2001年のアメリカ同時多発テロ事件を体験、翌2002年に訪れたアイスランドの水の風景に魅せられ、作品制作のため通い始める。2009年から、アイスランドで出会った双子の姉妹を8年に渡り撮りため、写真集『Eagle and Raven』(赤々舎 2020)を発表。自身が生まれ育った京都の風景や日本のアニミズムという、日本から失われつつあるものともつながっていると稲岡が語る本作品を展示する。 2014年に創業550年を超える家業の十六代当主となり、本家尾張屋当主と写真家、二つの顔を持ちながら活動を続けている。

Eagle and Raven ©︎Ariko Inaoka
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岩根愛

1991年単身渡米、ペトロリアハイスクールに留学し、オフグリッド、自給自足の暮らしの中で学ぶ。帰国後、1996年より写真家として活動を始める。ハワイ移民を通じた福島とハワイの関わりをテーマに、2018 年、『KIPUKA』(青幻舎)を上梓、第44回木村伊兵衛写真賞、第44回伊奈信男賞受賞。最新作品集に『A NEW RIVER』(bookshop M 2020)、著作に『キプカへの旅』(太田出版 2018)など。コロナ禍でライトアップが中止となった東北の桜の名所を歩いているうちに「自然と人間の境界が曖昧になった」という岩根が、暗闇のなかで桜と伝統芸能の舞を撮影した作品「NEW RIVER」を展示。

A NEW RIVER ©︎Ai Iwane
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岡部桃

日本大学芸術学部卒業。主な受賞歴に「写真新世紀優秀賞受賞(荒木経惟選)」(P3 art and environment 1999 東京)、FOAM's Paul Huf award(Foam Museum 2015 オランダ)などがある。第19回「ひとつぼ展」入選(ガーディアン・ガーデン 2002 東京)。KASSEL PHOTOBOOK AWARD入選(ThePhotoBookMuseum Cologne 2014 ドイツ)。主な展覧会に「Dild&Bible」(Foam Museum 2015 オランダ、成山画廊 東京)など。刊行した写真集に、『DILDO』(session press 2013)、『バイブル』(session press 2014)、『イルマタル』(まんだらけ 2020)がある。岡部が「今を生きるすべての人の叙事詩」と語る、自身の妊娠・出産をふくむ2012-2019年に撮影した作品「イルマタル」を展示。

ILMATAR 2020 Archival color C-print ©Momo Okabe
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清水はるみ

主な個展に「The Plants in the Voynich Manuscript」(IMA gallery 2019年)、「OPEN FRUIT IS GOD」(gallery blanka 2015)、「icedland」(Place M 2014)。主なグループ展に「浅間国際フォトフェスティバル」(長野 2019)、「LUMIX MEETS BEYOND 2020 by Japanese Photographers #4」(アムステルダム、パリ、東京 2016)などがある。突然変異の動物や人工交配の植物を博物学的観点からとらえ、人間の体と対比させてフレーミングし撮影。希少性の高い個体や、人工的に生み出された改良品種の姿をアーカイブした作品「mutation / creation」を展示する。

mutation / creation ©︎Harumi Shimizu
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鈴木麻弓

日本大学芸術学部写真学科卒業。ヴィジュアルストーリーテラーとして、個人的な物語を通し作品を生み出している。1930年に祖父によって創業された写真館を営む家庭で18歳まで育つ。大学卒業後はフリーランスとして、ポートレートを中心に活動。2011年3月11日、東日本大震災が発生し、故郷の宮城県女川町が津波で破壊され、両親が行方不明となった。以降、故郷へ足しげく通い、地域の人々の前に進む姿を記録し続けている。2017年に自費出版した『The Restoration Will』で、Photobooxグランプリ受賞(イタリア)、 2018年PHOTO ESPANA国際部門・年間ベスト写真集賞(スペイン)など、大きく評価された。自身の不妊治療の経験を描いた新作「HOJO」を展示する。

HOJO ©︎Mayumi Suzuki
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殿村任香

大阪ビジュアルアーツ放送・映像学科卒業。2008年、自身の家族の日常を赤裸々に撮った『母恋 ハハ・ラブ』を赤々舎より出版しデビュー。2013年には、ホステスとして夜の人々と生きながら撮った『ゼィコードゥミーユカリ』を発表。以後、精力的に作品を発表し、2019年にがんと闘い向き合う女性のポートレートプロジェクト「SHINING WOMAN PROJECT」を立ち上げ、2020年に『SHINING WOMAN #cancerbeauty』を発表した。海外での活躍も目覚ましく、2018年にはロンドンのDaiwa Foundation Japan House Galleryにて開催された「Double Method」展などに参加。2022年3月にパリのヨーロッパ写真美術館で開催するのグループ展「Love Songs」にも出展。KYOTOGRAPHIE2022では日常の悲喜交交や夜の街の風景を捉えた殿村流「愛の劇場」とも言える作品「焦がれ死に」を展示する。

die of love ©Hideka Tonomura
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𠮷田多麻希

幼少期の影響で生き物好きに育つ。2018年より作品の制作を重ね、現代の社会問題と自然や生き物への敬愛を同時に表現するためリサーチを開始。その結果を関連付ける実験的で抽象的な表現を試み、継続中のプロジェクトである〈Negative Ecology〉で2021年「KG+ SELECT」グランプリを受賞、同作品をKYOTOGRAPHIE2022で展示する。本プロジェクトは、野生の鹿を撮ったネガフィルムの現像失敗が契機となった。人の日常生活が、野生生物や自然界に侵食している様を想像し、東京から1000km離れ、豊かな自然が存在する北海道で撮影が始まった。撮影後、日常で使用する洗剤、研磨剤、歯磨き粉などの薬品類を混ぜ現像され作成されたネガフィルムは、汚染されダメージを受けているかもしれない野生生物や自然を表すメタファーでもある。

Negative Ecology ©︎Tamaki Yoshida
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鈴木麻弓
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殿村任香
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𠮷田多麻希
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地蔵ゆかり
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林典子
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細倉真弓
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稲岡亜里子
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岩根愛
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岡部桃
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清水はるみ
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鈴木麻弓
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殿村任香
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𠮷田多麻希
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地蔵ゆかり
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林典子
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細倉真弓

詳細

会期:2022年4月9日(土)~5月8日(日)
会場:京都「HOSOO GALLERY

ウーマン・イン・モーションとKyotographie

2015年にカンヌ国際映画祭の一環として発足した「ウーマン・イン・モーション」プログラムは、2017年より日本でも取り組みを開始し、映画監督・河瀨直美との最初の「ウーマン・イン・モーション」トークを始め、日本の名だたる映画祭への支援も実施しました。以来、「ウーマン・イン・モーション」は女性の才能に光を当てるための取り組みを強化し、写真など芸術・文化の新たな分野へと活動を広げています。

 

Kyotographieとのパートナーシップは2019年より始動し、2021年に「ウーマン・イン・モーション」は第9回Kyotographieにて、MEP(ヨーロッパ写真美術館)による「MEP Studio(ヨーロッパ写真美術館)による5人の女性アーティスト展 ─ フランスにおける写真と映像の新たな見地」を支援しました。Kyotographieでの本展覧会を支援することで、「ウーマン・イン・モーション」は、写真の世界で活躍する女性を支援する取り組みをさらに発展させていきます。また、芸術文化のあらゆる分野で男女不平等が問題となっている現在、写真分野に限らず、芸術・文化全般において女性の貢献や認識について議論を促しています。