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ケリングとアルル国際写真フェスティバルは2023年7月4日(火)、アルルの古代劇場で会期中最初に催されるイブニングイベントにてブラジルの偉大なフォトグラファー、ホザンジェラ・ヘノーに「ウーマン・イン・モーション」フォトグラフィー・アワードを授与します。このイベントの一環として、ヘノーは作品を公開するとともに彼女自身が歩んできた道のりや、写真界および社会全般における女性の地位についての見解を聴衆と共有する予定です。また、アルル市内にあるラ・メカニック・ジェネラルでは「ウーマン・イン・モーション」の支援により、ヘノーのモノグラフに焦点を当てた展覧会が開催される予定です。
本書はヘノーについてフランスで初めて企画された重要なモノグラフです。なお、彼女が前回、アルル国際写真フェスティバルに参加したのは2013年で、リオデジャネイロのブラジル国立図書館から盗まれた写真に関する作品で歴史書賞を受賞した時のことでした。
「支配体制が過去とのつながりを消そうとする、あるいは操作しようとする方法」に興味を持つヘノーは、記録として保管された写真を素材として使い、アートのインスタレーションやフォトブックに変換しています。彼女の作品は、時間、忘却、記憶に影響を与える社会的・心理的な変化について深く掘り下げているのです。
2019年から毎年、優れた写真家のキャリアを称える「ウーマン・イン・モーション」フォトグラフィー・アワードでは、受賞したフォトグラファーの作品をアルル国際写真フェスティバルがコレクションに収蔵し、その対価が受賞者に支払われます。これまで、2019年にスーザン・マイゼラス、2020年にサビーヌ・ヴァイス、2021年にリズ・ジョンソン・アルトゥール、そして2022年にバベット・マンゴルトが同賞を受賞しています。
今年、「ウーマン・イン・モーション」は、キャロル・サンドランがキュレーターを、またInstitut pour la Photographieのエリサ・マグナーニがアシスタントを務める展覧会『La Pointe courte, des photographies au film』を特別に支援します。ロザリー・ヴァルダとCiné-Tamarisのチームの承認を得て制作されたこの展示は、アニエス・ヴァルダが1954年夏、映画『ラ・ポワント・クールト』の撮影前および撮影中に自身が撮影した写真で構成されており、アルル国際写真フェスティバルの期間中にサン・トロフィーム教会の回廊で公開される予定です。
アニエス・ヴァルダは、「ウーマン・イン・モーション」プログラムが生まれる要因となったすべてを象徴しています。2015年にカンヌで開催された第1回のプログラムからの中心人物であるヴァルダは、これまでに経験してきたさまざまな闘いやフェミニズムについて、また思い描く解決策について、彼女らしい情熱と想像力を織り交ぜながら幾度となく語り、常にこのプログラムにコミットし続けています。「ウーマン・イン・モーション」プログラムにとって、この展覧会はフランスの芸術的遺産において極めて重要な人物であるヴェルダへの支援を継続するためのものと言えます。
ケリングは、アルル国際写真フェスティバルとのパートナーシップが5周年を迎えたのを記念し、2024年からさらに5年間、同フェスティバルのメジャーパートナーとして名を連ねることを約束し、長期的な関係をさらに拡大、深化していきます。
ケリングとアルル国際写真フェスティバルは2019年3月に協力関係を構築し、アルルで「ウーマン・イン・モーション」の写真プログラムを開始することを発表しました。ケリングは才能ある新人女性を支援するマダム・フィガロ・アルル・フォトグラフィー・アワードのスポンサーを2016年から続ける一方で、アルル国際写真フェスティバルとのパートナーシップに基づいた補完的な取り組みとして「ウーマン・イン・モーション」アワードと「ウーマン・イン・モーション」ラボの2つを立ち上げました。この「ウーマン・イン・モーション」ラボは、写真界の女性にスポットを当てた長期的なプロジェクトに資金を提供するものです。2019年から2021年にかけて出資した第1弾の研究プロジェクトでは、参考図書『A world history of women photographers』をフランス語版と英語版で出版しました。
2021年から始まった第2弾のラボのプログラムでは、アーティストのイト・バラダによるベッティナ・グロスマンのアーカイブに関する研究をケリングとアルル国際写真フェスティバルが支援し、彼女の名を冠した書籍『Bettina』の出版、さらに2022年7月にはフェスティバルの一環として彼女の作品の展覧会へとつなげました。
2023年から始まるラボの第3弾支援プログラムについては、近日中に発表される予定です。
ホザンジェラ・ヘノーは1962年、ブラジルのベロオリゾンテで生まれ、現在はリオデジャネイロに生活、活動の拠点を置いています。
写真、オブジェ、インスタレーションといったヘノーの作品は、蚤の市やインターネットで入手した写真から諸機関のアーカイブまで、多種多様なソースから入手した画像を扱うことで、写真的な表現と受容におけるさまざまな政治性、そして記憶と忘却の関係を深く堀り下げることを特徴としています。ヘノーは見捨てられ、記録という意義を失いかけた写真のアーカイブや、あるいは記録としては残っているものの使われなくなった「デッドファイル」さえも使い、特にブラジルや南半球の国々において歴史に関する記憶の喪失と住民の排除という戦略に用いられてきた「抹消」と「構造的無知」という繰り返される物語を明らかにし、それに対抗することに取り組んできました。また、ビデオやアーティストブックの制作にも力を注いでおり、常に同じコンセプトに基づいて制作活動を行っています。ヘノーの詳しい経歴については、付録をご覧ください。
ケリングは、女性に対するコミットメントや取り組みを、グループの優先事項の中心の一つに据えています。クリエイティビティこそが変革を生み出す最も強い力の一つであるものの、依然として男女間の不平等が顕著である芸術や文化の世界に「ウーマン・イン・モーション」プログラムは取り組んでいます。
2015年、ケリングはカンヌ国際映画祭において、映画界の表舞台、そしてその裏側で活躍する女性たちに光を当てることを目的とし、「ウーマン・イン・モーション」を発足しました。以来、このプログラムは写真を始め、アート、デザイン、音楽、ダンスの分野にも活動の幅を広げています。「ウーマン・イン・モーション」アワードは、各分野で活躍する、インスピレーションを与えた人物や新たな女性の才能を表彰しています。また、トークイベントや
ポッドキャストでは、著名人がそれぞれの職業における女性の立場について意見を交換する機会を提供しています。
過去9年間、「ウーマン・イン・モーション」は文化・芸術分野における女性の地位と評価について、考え方を変え、考察するためのプラットフォームとして選ばれてきました。
アルル国際写真フェスティバルについて
アルル国際写真フェスティバルは1970年から毎年夏にフランス・アルル市で開催され、市内の様々な名所旧跡で開かれる展覧会を通じて、世界各地の写真文化遺産の支援に貢献するとともに、多面的な環境を通じて現代の創作活動を促しています。アーティストにとって真の文化的インキュベーターとして、アルル国際写真フェス
ティバルは毎年、写真創作の中心地となっています。同フェスティバルは毎年、200人以上のアーティストやキュレーターの作品を集め、特別にデザインされたセットを備える会場で35の展覧会を開き、作品を展示し、様々な領域が交わる場として、芸術の考察や実践を推進しています。また、高い見識を備えた一般の観客に向けて、トレンドを明らかにし、新しい道を切り開き、変化するイメージの在り様を探り、問いかけると同時に、世界の社会的・地理的多様性を反映したコンテンツを生み出しています。第54回アルル国際写真フェスティバルは、2023年7月3日から9月24日まで開催されます。
ケリングについて
ケリングについて ケリングは、ファッション、レザーグッズ、ジュエリー製品を扱うメゾンおよびケリング アイウエアを擁するグローバル・ラグジュアリーグループです。傘下のブランドはグッチ、サンローラン、ボッテガ・ヴェネタ、バレンシアガ、アレキサンダー・マックイーン、ブリオーニ、ブシュロン、ポメラート、 ドド、キーリン。戦略の中心にクリエイティビティ(創造性)を掲げるケリングは、サステナブルで責任のある方法により未来のラグジュアリーを築きながら、各ブランドがそれぞれの創造性を 自由に表現することを可能にしています。このような信念が「イマジネーションをその先へ」(“Empowering Imagination”(イマジネーションをその先へ)というケリングのシグネチャーに込められています。2021年のグループ社員数は42,000人以上に上り、同年に176億ユーロの売上高を達成しました。
プレス窓口
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Eva Dalla Venezia | +33 (0)1 45 64 65 06 | eva.dallavenezia@kering.com
アルル国際写真フェスティバル
Claudine Colin Communication
Alexis Gregorat | +33 6 45 03 16 89 | alexis@claudinecolin.com
株式会社ケリング ジャパン コミュニケーション&メディア
産形 利恵 | rie.ubukata@kering.com
田村 絵李 | eri.tamura@kering.com